7月1日は福岡食肉市場でサマーミートフェアがありました。
サマーミートフェアは福岡食肉市場が主催するイベントで九州全土から名だたるブランド牛が集結します。
食肉市場でのミートフェア(共励会)は、毎年、定期的に夏と冬に開催されます。
開催の目的は、優秀な枝肉を表彰することによって、
牛肉の生産者側と枝肉を買う側、双方が知識を深められること。
消費者に確かな品質を約束すること。
九州市場全体の活性化を図ること。
を目的として開催されます。
今年のサマーミーフェアは、こやま牧場の成績は今ひとつでしたが、
壱岐牛は大健闘していて、壱岐市のJAが出品した壱岐牛が優秀賞を取っていました。
壱岐牛が頑張ってくれると、壱岐牛の品質の良さが世の中の人に広まるので、壱岐牛生産者としてもとても嬉しいです。
それにしても、ブランド牛って九州だけでもとてもたくさんあります。
今回のミートフェアに出品していたのは、
F1(交雑種)
●味彩牛(熊本県)
●豊後交雑牛(大分県)
●福岡牛(福岡県)
●宮崎ハーブ牛(宮崎県)
●長崎ほまれ牛(長崎県)
●佐賀交雑牛(佐賀県)
●エフワンびより(佐賀県)
●下関牛(山口県)
黒毛和牛
●佐賀牛(佐賀県)
●佐賀産和牛(佐賀県)
●博多和牛(福岡県)
●壱岐牛(長崎県)
●長崎和牛(長崎県)
●おおいた和牛(大分県)
●おおいた豊後(大分県)
●天草黒牛(熊本県)
●きくち牛(熊本県)
●菊池牛(熊本県)
●伊万里牛(佐賀県)
●和牛びより(佐賀県)
●北さつま高崎(鹿児島県)
●のざき牛(鹿児島県)
●北さつま牛(鹿児島県)
●宮崎ひまわり牛(宮崎県)
●宮崎ハーブ牛(宮崎県)
このように、九州全土からブランド牛が集結していました。
九州だけでもブランド牛はもたくさんありますが、全国になるとその数は200以上にもなるんです。
出荷頭数が少ないあまり認知されていないものから、松坂牛、神戸牛などの有名なブランド牛まで、歴史の古いものから浅いものまで、本当にたくさんのブランド牛があります。
それらを育てる肥育農家がみんな、より良い品質の牛肉を出荷できるように、
腕を磨き、競い合っています。
日本の和牛が美味しい理由はこの絶え間ない研鑽の歴史があるからこそなのです。
血統の掛け合わせや、血統を磨き上げる努力は凄まじいもので、
種牛の血統を掛け合わせ、
研究して磨き上げて、
より上質の肉質になる種牛の精子の値段は跳ね上がり、
そのため子牛の値段も跳ね上がって、
肥育農家を苦しめていると言うこともあります。
でも、和牛の品質だけに限って言えば、10年前、20年前に比べようもないぐらい品質が向上しています。
日本の最高の血統の種牛は、ホントに国宝にした方がいいんじゃないかと思うぐらい、畜産関係者の努力の結晶の賜物です。
その品種改良や血統を磨き上げることの原動力がこのような共進会や共励会で、
このような会で賞を取ったら、チャンピオン牛として、枝肉が高く売れるようになるという以上に、
そのブランド牛に対する名声が得られ、数あるブランド牛の中から淘汰されずに勝ち抜いていけるという、壮絶な知られざるドラマが和牛業界にはあります。
この壮絶な戦いの陰には、一時期有名になったけど、最近聞かなくなったな…。
昔はたくさん牛を出荷してたけど、
最近出荷数が減ったなぁなんてブランド牛の名前も結構あるんです。
ちなみに、今回のミートフェアのチャンピオン牛の枝肉は
一キロ当たり4000円の値段がついていました。
(1キロあたり2600円以上になるとなかなか良いという相場の時に1キロあたり4000円!です)
でも、本当にどのブランド牛の肥育農家も頑張っていて
共励会は参加するだけで肥育農家としてとても励みになります。
文字通り共励会は和牛の生産者として
『共に励ましあっていく会』です。