和牛のセリ会場について、枝肉の格付けの例

枝肉を例に、格付けのポイント。

枝肉をズラリと並べても、そんなに違いは無いように見えますが、
枝肉の断面は、どれも違っていて特徴があり、
それぞれ、値段が全然違います。


以前格付け方法を見てみました。以前の記事↓↓
枝肉についてはこちら

今回は、写真を見ながら枝肉の断面を比べてみて、
具体的にどんな評価がされるのか、
実際にそれがいくらで落札されたのか見てみたいと思います。

A5ランクでチャンピオン牛の枝肉の断面 kg/ ¥4,000

枝肉の味方は見るところにポイントがあって、美味しいお肉の見分け方と関係があります。

まず、A5ランクの枝肉は、ロースの芯の部分に細かい網目状にサシが入っていて、
赤みが少なく、筋肉の部分にビッチリ白いサシが入っているので見た感じちょっとピンクっぽい感じです。

皮下脂肪が薄いのも、ロースの芯の部分が大きくなるので評価されます。

上の画像は共励会でチャンピオン牛になったもの。
サシがビッチリ入っていて、皮下脂肪がとても少ないのがわかります。
この枝肉は1キロあたり¥4,000でセリ落とされました。
※この値段は共励会のチャンピオン牛だったので特別な値段です。

交雑種B3ランクの枝肉の断面。 kg/ ¥1,535

A5ランクの枝肉の断面とB3ランクの枝肉を比べると違いは一目瞭然ですね。
皮下脂肪が多いけど、ロースの芯の部分に脂肪交雑はあまり入っていません。
十分美味しいですが、口の中でとろけるという感じではなく、歯ごたえのある
赤身を感じる肉です。

ですが、最近は健康志向で脂肪が多い肉が苦手という人には好まれると思います。

肉は好みがあるので一概には言えませんが、やはり、高級なA5ランクのお肉の食感とはだいぶん違います。

この枝肉は1キロあたり¥1,535でセリ落とされました。

こちらもA5ランク。 kg/ ¥2,782

コチラもA5ランクの枝肉。
チャンピオン牛と比べると、若干脂肪が多いとか脂肪の交雑の繊細さがとかの違いがあるかも知れないですが、最高級の枝肉です。
この枝肉は、1キロあたり¥2,782で落札されました。

A5ランクの枝肉(シコリあり) ¥2,582

この枝肉もA5ランクですが、下の方が白っぽくなっています。これは、シコリと言って、脂肪の塊です。シコリがあると、評価が少し下がります。

この枝肉は、¥2,582でセリ落とされました。
シコリがあっても評価はそんなに下がりませんでした。

B4ランクの枝肉。 ¥2,402

こちらはB4ランクの枝肉。脂肪が多いのがわかります。脂肪が多いとロースの芯が小さくなるので、評価は下がります。
ロースの芯の部分の脂肪交雑は、しっかりしてるので脂肪交雑は4等級。
この枝肉は1キロあたり¥2,402でセリ落とされました。

セリ会場の雰囲気

こうしてみると、枝肉の断面って全然違うというのがわかります。
値段も、相場に相応な値段でセリ落とされます。

枝肉の断面は切ってみるまでわかりません。

仕事である以上
子牛の値段、餌の値段、その他の経費を差し引いて、利益も出したいのですが、
思うように利益が出なかったとか、予想外に高値で売れたとか
ギャンブル性があります。


セリ落とす側も、買った枝肉を値下げせずに売り、
利益を多く出したいという希望もあります。

セリ会場で枝肉がセリにかけられるのは一瞬で、
高額な枝肉の値段があっという間に値段が決まりますが、
そんなピリピリした雰囲気ではなく、

だいたい、出品者も落札者も同じ顔触れなので、
常連の人はだいたい顔見知りになっていて、

冗談を言ったり、チャチャを入れたり、
希望の金額でセリ落とせず頭を抱える人がいたり、
予定より高値になってしまって、やけくそ~~
みたいな態度の人がいたり

挨拶したり、世間話したり、和気あいあいとした雰囲気です。

セリ会場の様子。
枝肉の断面