食育について考える~食べたものが身体になる。

人間の細胞は日々入れ替わっている。

人間の細胞って60丁個もあるらしいのですが、
心臓や脳などの細胞を除くほとんどは
日々、入れ替わっているらしいのです。

つまり、今のあなたは、何年間か後は全く別の細胞のあなたになるらしいです!

身体の中にある60丁個1つ1つの細胞が、呼吸をしエネルギーを使って、からだに必要なものを作り出すなどの活動をしてるので、1つ1つの細胞は「生きている」と言えるかもしれません。

人間の身体は半分以上は水で、その水の中に細胞が呼吸をしたりしながら浮いているイメージです。

ただ生きているだけではなく、古い細胞は捨てられどんどん新しい細胞に入れ替わっています。

もの凄いスピードで古い細胞は尿として排出されたり、便となったりして体の外に出ていきます。

そして、それ以上のスピードで新しい細胞を作り出しては置き換えて、常に新鮮な細胞で体を保っていきます。

人間の中の60丁個の細胞は、日々生まれ変わっていて、数年で別の細胞に入れ替わります。

そのサイクルが日々休むことなくスムー ズに行われる事がこそが「健康」に繋がり、それを新陳代謝と言います。
新陳代謝のサイクルは
・皮膚は28日サイクル
・胃や腸は40日サイクル
・血液は127日サイクル
・骨は200日サイクル
・肝臓・腎臓は200日サイクルで、細胞が入れ替わるとされています。
このサイクルは所説ありますが、

いずれにしろ、細胞は日々生まれ変わり、新しいものになっているので、数年もすればほとんどの細胞は入れ替わっています。

細胞は少しづつ、ひとつづつ入れ替わっているので、全体の身体の形や顔の形が変わることは無いですが、数年後のあなたは、今のあなたと全く別の細胞でできているのです。

(※心臓や脳・神経などは細胞が新陳代謝をせず入れ替わらない細胞もあります。)

人間の細胞が生まれ変わるメカニズム

このことを知ったときビックリしました。

『食べ物を食べると、それはエネルギーとして使われる、そして、その食べ物のカスが便として排出される。』

と思っていたんですが、食べ物は単なるエネルギーなんかじゃなくて
食べ物から1つ1つの細胞が作られれるらしいのです。

便はもちろん消化されなかった食べ物も入っていますが、便の大半は体の一部を構成していた粒子が、古くなって捨てられたものらしいのです。

食べ物を食べる目的は、その失われた細胞を補完するということを目的としています。

食べた食べ物の粒子はそのまま体の一部となっていきます。
つまり、私は私の食べたもので作られています。
有名なネズミの実験があります。

■ルドルフ・シェーンハイマーの実験 ■
ネズミにチーズを餌で与えます。

この実験で、チーズは体の中に半分以上留まる事がわかりました。


実はミクロな目線で見れば、ネズミの体もチーズも炭素や窒素などの集まりにほかならず、もともと「チーズ」だった粒子は、その半分以上が、ネズミの体の一部になっていた。

しかし、ネズミの体重を測ってみると、チーズの粒子分重くなった訳でもなかった。
という実験です。

この実験から、ネズミが食べたチーズは、半分以上はネズミの体内に留まり、
その細胞の一つになっていて、ネズミの体重が増えていないことから、
もともとネズミの体内にあった細胞は、糞や尿として排出されたということがわかります。


こんな感じで、食べたものは単なるエネルギーになっているのではなく、
私たちの身体を作る要素として使われています。


ということは、何を食べるか、どう食べるか、どういう意識で食べるかということがとても大切だと思うんです。


例えば二人の子供がいたとします。

一人は母親が愛情を持って作ったご飯を、毎日楽しく食べます。
母親は、子どもの事を愛おしく思い、晩御飯を子どもの大好物にしたり、健康や食材に気をかけたりして、食事を食べるときは家族そろって楽しく、美味しくご飯を食べて育ちました。

一方、もう一人の子供は、親が忙しく外食やお惣菜ばかり、時には晩御飯をカップラーメンやスナック菓子で済ませることもあります。
食事はいつも一人でモクモクと食べてます。

この二人の子供ってやっぱり何かが違うと思うんです。

習慣は意識を作ります。

この二人は成長して大人になってからも当然食に対する意識や価値観は違うと思います。

コンビニで気軽に晩御飯を買ってきて、何の手間もかけずにチンして食べる食事が続いた時、気持ちも荒んできますが、やる気も起きない、なんか、やる気が起きなくて身体もダルイ。
そんな悪循環に陥ることがあるかも知れません。

日本は、豊な国だけど、なんとなく日本人の中には幸福感が感じられない
そんなことの理由も、もしかして食事にあるかも知れません。
食育の大切さはそんなところにもあると思います。

笑顔の食卓、美味しいご飯ですくすく育つ子供

家族団らんの食事。愛情が感じられる食卓。

そんな毎日の積み重ねで幸福感って感じられるようになると思うんです。
自分の身体を作っているのは、自分が食べたものです。

あなたの子供の身体を作っているのは、あなたが作った料理です。

美味しい食事を、皆で美味しく食べる幸せ。
そして、その食べたものは、私たちの細胞となって体の中にある一定期間、蓄積されていきます。

食事は楽しく食べたいものです。

肉の生産者としても、
食事を楽しく美味しく食べて欲しい。


食肉生産者として、食べ物により、身体は作られ、
美味しい食事の時間により幸福感が作られる
だったら、
よりおいしく、より幸せな気分になってもらうためには
どうすればいいのか。。。

牛の生産をしていて
そんなことを感じます。