長男は農大の畜産科で勉強中です。

農大の畜産科に行っている小山家の長男からの農大のレポートです。

こやま牧場の跡取り息子、小山家の長男は、将来こやま牧場の跡を継ぐべく、
今は長崎の農大の畜産学科に行っています。

昨日、ブログで10年前の自由研究をネタにされた長男です。

長男の10年前の自由研究はコチラ ←クリック


この学校は、28年前、現在のこやま牧場の牧場主も行った学校です。

こやま牧場のホームページを開設したので、
ブログのネタを提供して欲しいと長男にラインでお願いしたところ、
今、農大の畜産学科で何を勉強しているのか、
写真をたくさん送ってくれました。

長男がどんな勉強をしているのかとても興味深いです。

農大の畜産科では、牛を育てるためにいろいろな専門的な勉強をしているようなので、

今回のブログは、長男の写真による農大畜産科レポートです。

農大の朝は徐糞から始まります。
こちらが徐糞後。綺麗になりました。
繁殖牛を放牧しています。

農大の畜産科では、学校の敷地内で繁殖牛を飼っています。
上の写真は母牛を放牧しているところ。

毎日何をしているかというと、牛舎の徐糞をしたり、餌やりしたり、母牛の放牧の世話をしたり、子牛の身体測定をして、成長具合を記録したり…。


そんな、いろいろな牛の世話の仕方を教わります。

農大では母牛も飼っていて、子牛の繁殖もしているので
在学中に家畜人工受精師の免許も取れます。

家畜人工受精師は日本の国家資格で、家畜の人工授精を円滑に行うために必要な免許です。

獣医師は無条件で同じ業務をすることができますが、繁殖農家でも牛の人工授精が行われていて、 講習会を修了し修了試験に合格したら資格を取ることが出来ます。

今日は子牛の身体測定をしました。

今日は、子牛の身体測定をしました。

子牛の身体測定は、成長を知るためにとても重要です。
子牛は定期的に身体測定をして、成長具合を調べます。

計る場所はポイントが決まっていて、どこを計るか細かく教えてくれます。

人間は『身体測定』と言いますが、
牛の場合は『牛体測定』と言います。


牛体測定!
胸囲・・・肩甲骨後隅直後指2本後の帯径部における周囲長
体長・・・片端より坐骨端に至る水平長
体高 ・・・きこう最高部の高さ

牛の牛体測定をしているところ。胸まわりを計測します。
牛がじっとしている間に急いで身長を計ります。
でっかいノギスで牛の地面から首までの高さを計ります。

鼻紋の取りかたも習います。

今日は鼻紋の取りかたも習いました。

鼻紋って知っていますか?
牛は鼻(鼻紋)で個体を識別します。

あまり知られていないことですが、牛の鼻には人間の指紋と同じように1頭ごとに異なった『しわ』がついています。


このしわ模様は上の写真の様に版画のようにして紙に写し取ることができます。
そして、牛の最終個別判断として利用されます。

牛の個体識別といえば、個体識別番号を表示した耳に付ける標識が使われますが、人為的に取ってしまうとか、何かにひっかっかって取れてしまうこともあります。

そのため、牛の個体を識別するために鼻紋が最終個別判断になるのです。

子牛を市場で買った時に、この鼻紋付きの子牛登記という証明書がついてきますが、その鼻紋の取りかたも農大で教えてもらいます。

これは、子牛の鼻紋を取ろうと、ローラーで墨を付けたところ
こんな感じで鼻紋を取ります。
こやま牧場が買った子牛の子牛登記にも鼻紋がついています。

後2年で卒業です。

農大に行くと、畜産に必要な様々な知識を実技で教えてもらえますが、
牧場で必要になる免許もいろいろ取得できます。

在学中に取得できるのは家畜人工受精師の免許の他に、
農耕用の大型特殊免許や、けん引免許が取れたり、
フォークリフト運転技能講習があったり、
農業技術検定や農業機械士の免許が取れたり、
卒業した後は牧場で働いたり、JAの職員になる人も多いです。

そんな長男も2年後には農大生活を終え、壱岐に帰ってくる予定です。

一回り成長した長男と、一緒に牧場を切り盛りしていく日が楽しみです。