牛肉を美味しく食べていただくために部位の解説をします。
今日のブログでは、牛肉の部位の種類について、よくわからないという方のために、部位の名称と特徴をご紹介します。
牛肉はその部位によって、肉質や味が違うため、どの料理に適しているか、どんな調理で食べたら美味しいかなど、調理のコツがあります。
お店に買いに行くときも、何の料理を作るかでどの部位を買ってきたらよりおいしくできるのか、わかって買った方が美味しくできると思うので、参考にしてください。
牛肉はいろいろな名称の部位があり、 精肉店と焼肉屋さんでは、 同じ部位でもいろいろな呼び方があったりして分かりづらくなっていますが、大まかにわけると下の図のように分けられています。
牛肉のそれぞれの部位
ネックについて
●ネックの特徴
ネックとは名前の通り首周りのお肉になります。
よく動かす部位なので筋肉が発達していて、キメが粗くスネに次いで硬いのが特徴です。赤身が多く脂肪は少ないですが、コクがあり濃厚で旨味も豊富なのが特徴です。硬いので、長時間じっくり煮込む料理や、ひき肉としてハンバーグなどに利用されます。価格は比較的安価です。
●ネックの調理方法
ひき肉にしてハンバーグ、カレー、ビーフシチュー
肩について
●肩の特徴
肩ロースのまわりを覆うようにしている腕の部分の肉。
良く動かす部位なので筋肉が発達していて赤身が多く、場所にもよりますがやや硬めで、エキス分やコラーゲン、旨味が豊富で肉の味は濃厚なのが特徴です。
場所により様々な料理に利用されます。
●肩の調理方法
カレー・シチューなどの長時間煮込む料理、焼肉、すき焼き
肩ロースについて
●肩ロースの特徴
肩から背中にかけてあるロース肉の始まりの部分です。やや筋がありますが、キメが細かく肉質は柔らかいのが特徴です。サシが入りやすく赤身と脂肪分のバランスが良いので、ステーキにしても美味しいです。コクと濃厚な味が特徴ですがリブロースやサーロインより安価です。薄くスライスしてすき焼きやしゃぶしゃぶをはじめ、柔らかいところはステーキなどでも利用されます。
●肩ロースの調理方法
しゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキ、焼肉
リブロースについて
●リブロースの特徴
リブロースとは肋骨部(ろっこつ)の背中のお肉です。リブとは肋骨(ろっこつ)を意味します。ロースの中で最もキメが細かく霜降りになりやすい部位です。牛肉の中でもサーロインと並ぶほどの高級部位で捨てる部分がく、様々な料理に使われます。肉質は柔らかく脂の濃厚な旨味があります。
●リブロースの調理方法
どんな料理でも美味しく食べれます。
ステーキ、すき焼き、鉄板焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉、ローストビーフ
サーロインについて
●サーロインの特徴
サーロインは牛の腰に位置するお肉です。牛肉の部位の中でも最高の肉質とされています。柔らかくて甘みがあり、サシが入りやすい部位なのでジューシーな霜降りの肉質が特徴です。とろけるような食感が人気の高級部位で、ヒレに次いで柔らかくサーロインステーキという名前をよく聞かれると思いますが、ステーキにするのにぴったりな部位です。柔らかければ厚切りにしても美味しいです。
●サーロインの調理方法
最高級部位なのでどんな料理もおいしいです。
ステーキ、鉄板焼き、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ローストビーフ
ヒレについて
●ヒレの特徴
ヒレはサーロインの下側にあるお肉です。牛肉の中で最も柔らかい部位ですが、内臓のすぐそばあり、ほとんど筋肉を使わないために赤身肉なのに柔らかいというのが特徴です。一頭から取れる肉が少ないので希少部位であり高級部位です。舌触りがまろやかで上品な味わいが特徴です。シャトーブリアンとはヒレの一部で最も柔らかい部分のことで最高級部位としても知られ、高価です。
脂っこくなくヘルシーという特徴もあるので、女性にも人気です。
●ヒレの調理方法
ヒレステーキ、鉄板焼き、ローストビーフ、牛ヒレカツ
肩バラについて
●肩バラの特徴
肩バラは肩ロースの下にあります。よく運動する部位なので筋肉質でやや硬く、比較的脂肪分が少ない赤身肉になっています。エキスやコラーゲンといったゼラチン質が多いので、長時間煮込む煮込み料理やスープ原料、ひき肉などに使用されます。
●肩バラの調理方法
カレー・シチューなどの長時間煮込む料理、焼肉、すき焼き
トモバラについて
●トモバラの特徴
バラとははお腹(アバラ)周りのお肉のことです。「日本食肉格付協会」の規格によると、前の方の肩に近い方を「肩バラ」、後方の牛の腹の周りの「トモバラ」と二つに分けられます。肩に近いほど運動するので筋肉質でになり、やや硬い赤身肉ですが、トモバラはあまり動かさない部位なので霜降りになりやすく、脂分の比較的多い部分です。カルビとして焼肉で出されているのもこのトモバラの一部です。
●トモバラの調理方法
焼肉(カルビ)、すき焼き、しゃぶしゃぶ
シンタマについて
●シンタマの特徴
シンタマとは、内モモよりもやや下に位置するモモのお肉です。
内モモと外モモの間に位置し、丸い形状をしていることから、芯玉(シンタマ)と呼ばれています。赤身の中に霜降りが綺麗に入っていて柔らかい部位です。
モモ肉の中ではトップレベルの旨味の詰まった部位です。
このシンタマより、下のマルシン・トモサンカクがとれます。
●シンタマの調理方法
ユッケ、ローストビーフ、タタキ
内ももについて
●内ももの特徴
赤身の大きなかたまりで、牛肉の部位中、もっとも脂肪が少ない部位です。ステーキなど大きな切り身で使う料理や煮込みになど幅広く使えます。
ほぼ赤身のため、脂が苦手な方にお勧めです。
●内ももの調理方法
ステーキ、焼肉、ローストビーフ、煮込み料理
ランプについて
●ランプの特徴
ランプは牛の腰からお尻、ももにかけての部位です。「日本食肉格付協会」の規格では、イチボと合わせてランイチと呼ばれる部位です。
肉質の特徴はキメが細かく、ももより柔らかい赤身肉で、適度にサシが入りますが脂にクセがなく、脂っこくなく上品な味わいなのが特徴です。
●ランプの調理方法
ステーキ、焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶ
外モモについて
●外モモの特徴
モモの外側の部位です。キメが粗く、よく運動する部位なので筋肉質になりやすく、そのため肉質は硬い赤身肉なのが特徴です。肉質が硬いので、煮込んだり薄切りにして使われることが多い部位です。比較的安価で取引されますが、高タンパク質で肉の味は濃いです。
●外モモの調理方法
カレー、シチュー、長時間煮込む料理、炒めもの
スネについて
●スネの特徴
牛のスネの部分のお肉です。牛が歩く度に運動する部分なので、脂肪がほとんどなく筋が多い硬い部分です。ですがゼラチン質で肉の味が濃厚なためダシをとるのに最適です。時間をかけてじっくり煮込めばコラーゲンが出て柔らかくなります。長時間煮込んで牛すじとして使うと美味しくなります。また、ひき肉にしてもよく使われます
●スネの調理方法
煮込み料理、スープ、ひき肉
タンについて
●タンの特徴
タンは牛1頭あたり1~2kg程とれますので実際に見ると、牛の舌はこんなに大きいのかと驚かれる方が多いと思います。ですが、牛は1約頭700kg程なので実際にはそんなに多く取れない希少な部位です。
牛肉の中で牛タンは非常に人気があり、牛タンの専門店もたくさんあります。
ですが、タンは、枝肉には含まれず、内臓として取り扱われます。
●タンの調理方法
焼肉、煮込み料理
テールについて
●テールの特徴
牛の尾部分を「テール」といいます。 タンと同様に枝肉には含まれず、内臓として扱われます。テールは骨の周りに肉がついていて、牛肉の部位でも、特に固い部位ですがが、長時間煮込むことでコクのあるスープを取ることも出来ます。 テールスープやシチュー、 コムラン(韓国料理)が知られています。肉を食べるというよりもスープを作るのに適した部位です。煮込んだテールにポン酢をかけて食べても美味しいです。高タンパク低脂肪でコラーゲンが豊富に含まれているため、美容にも良く、女性に人気です。
●テールの調理方法
テールスープ、テールシチュ、煮込み料理
まとめ
牛の身体の真ん中が脂肪や柔らかい部分が多く、サシの入った高級な部位も集まっています。
牛の背中側のお肉はロース、お腹側のお肉はバラです。
今回は大きく分けて牛の部位の解説をしましたが、さらに細かく分けて見ていけば、もっとたくさんの種類があります。
どの部分もそれぞれの特徴とそれぞれの美味しさがあって、内臓も含めて食べるところがたくさんあります