山笠は博多だけではない!壱岐も山笠があります。
山笠は博多祇園山笠が有名ですが、壱岐でも山笠があります。
その名も「郷ノ浦祇園山笠」壱岐市では最大の夏祭りです。
はじまりは、元居の八坂神社に疫病退散の祈願のため山笠を奉納したのがはじまりで280年もの歴史があります。
博多祇園山笠は 『770余年の伝統を誇る』ということなので、博多と比べると歴史は浅いですが、それでも270年の歴史!!
とても古い歴史があります。
1737年(元文2年)に壱岐で疫病が流行し、その当時の人が八坂神社に願をかけたところ疫病が治まったため、この御利益に感謝し、山笠を奉納したのが起源とされます。
時代とともに五穀豊穣、商売繁盛、大量祈願、家内安全などさまざまな願い事がこめられるようになりました。
唄子の「オッセ、オッセ」の掛け声にのって郷ノ浦町内を練り歩き、
石段を駆け上がる難所が見どころです。
祭は7月の第4土曜日・日曜日に開催され、本町流、下山流、塞流、新道流の4流の山笠が奉納されます。
担ぎ手は
「ヨーカイタ、ヨーカイタ」
「ヨーサシタ、ヨーサシタ」
と言いながら山をぶつけ合います。
「ヨーカイタ、ヨーカイタ」
壱州弁で『ヨー』って言うのは『良く』って意味で、
『カイタ』は 「舁き山(かきやま)」の『担ぐ』から来てると思います。
舁き山は、その名の通り「舁く(担ぐ)」ための山笠。
「ヨーカイタ」は「よくかついだ」という意味であろうと思います。
その掛け声とともに、坂道、階段を駆け上がるので、
ほんと「ヨーカイタ」(良く担いだ)と感心します。
「ヨーサシタ、ヨーサシタ」
のサシタはたぶん 「 差し山(さしやま)」から来てると思います。
いずれも山笠用語で
「ヨーサシタ」と言いながら腕を上げて高く山を持ち上げます。
その時、山が傾きぐらぐらと倒れそうになります。
「うわー」とみている人が思わず声を出してしまうような、危なっかしい様子です。
今にもひっくり返ってしまいそうで見ていてヒヤヒヤします。
そして、山同士をぶつけ合い、互いにひっくり返りそうになりながらも
ギリギリのところで立て直します。
博多の祇園山笠とはちょっと違う、郷ノ浦祇園山笠は
山と山をぶつけ合う、荒々しい、雄々しい印象です。
博多の山笠でも壱岐の山笠でも、山笠に熱中する状態を「山のぼせ」といいます。
「のぼせ(る)」とは、「熱中している」という意味。
7月になると壱岐でも島全体が「山のぼせ」になり、「山笠に参加する」ためなら、大人でも会社を休んだり早退するのも特別に珍しいことではありません。
山笠に関係している子どもであったら学校を休んでも早退してもOKという風潮があります。
壱岐の島中の男たちが『山のぼせ』
こやま牧場の跡取り息子もりっぱな『山のぼせ』
でも、博多にしろ壱岐にしろ、山笠がこのような長い歴史があり、多くの男たちを毎年夢中にさせているのも、山を担いでみないとわからない魅力があり、 祭りが終わった後、また来年も担ぎたくなる魅力があるのだと思います。
山は担ぎ手の誇りと男のメンツをかけ、担いでいる最中は車輪を地面につけてはいけないと言われます。
毎年、山笠に夢中になっている筋金入りの『山のぼせ』が言っていました。
「山は力で担ぐのではない!男気で担ぐのだ~!!」
女にはわからない気持ちですが、汗だくになって、水をかけられ、汗か水かわからないぐらいビショビショに濡れて、ヨレヨレになりながらも必死に山を担ぐ『山のぼせ』をカッコいいと思ってしまう女性が福岡にはとても多いのです。