牛肉はホルモンも美味しい

和牛の魅力は肉だけではなく、ホルモンも美味しい!

和牛の魅力は肉だけではなくホルモンも美味しく、牛は捨てる部分がありません。
牛肉以外の、ホルモンと呼ばれる牛の副生物は、肉とは異なるおいしさがあり、
焼肉屋さんなどで食べれます。
最近ではホルモンは栄養価の面でも見直されるようになりました。

昔から牛の内臓を調理してきた関西では、部位によって関東とは異なる呼称を持っていますが、一般的な称号で解説します。


牛のホルモンの部位を図解するとこんな感じになります↓↓

牛のホルモンの図。

胃の部位

【ミノ(第一胃)】
牛の4つの胃の中で、1番目の胃。
最も大きくて肉厚で、 弾力のある独特の食感が特徴で、
歯ごたえがあります。
特に厚い部分が「上ミノ」と言います。

【ハチノス(第二胃)】
牛の4つの胃の中で、2番目の胃。
胃の内壁が「蜂の巣」のようにひだ状になっていることからハチノスと言います。
イタリア語では「トリッパ」 と言われていて、スープなどで食べます。
弾力が強く噛みごたえあり、コラーゲンが豊富です。

【センマイ(第三胃)】
牛の4つの胃の中で、3番目の胃。
「千枚のひだ」があるように見えることからセンマイと言います。
脂肪が少なく、独特のひだの歯ざわりが特徴で、さっぱりしていて美味しいです。
鉄分豊富で黒い色をしていますが、湯むきしたら白くなります、白いものを白センマイと言います。
鉄分や亜鉛が豊富に含まれています。

【ギアラ(第四胃)】
牛の4つの胃の中で、4番目の胃。
表面がなめらかで薄く、大きなひだがあります。
赤身があるので「アカセンマイ」とも呼ばれることもあります。
しっかりと焼くと、歯ごたえが強く、濃厚な味わいを楽しめます。

肝系の部位

【ハツ(心臓)】
牛の心臓の部分。
筋繊維が細かく、脂が少ないのが特徴で、コリコリした食感を楽しめます。
ビタミンB1、B2が豊富で、刺身でも焼肉でも楽しめます。

【レバー(肝臓)】
牛の肝臓の部分。
炒め物で親しまれるレバーは、濃厚な味が楽しめます。
鉄分のほかに、ビタミンA、B2も多く含んでいて、とても栄養価が高いです。

【マメ(腎臓)】
牛の腎臓の部分。
形がそら豆に似ています。
独特の香りがあるため、好き嫌いがはっきりと分かれる部位です。
しこしことした歯ごたえが特徴です。

横隔膜の部分

【サガリ (横隔膜) 】
横隔膜から垂れ下がった部分がサガリです。
見た目も味も肉に近いため、肉だと思っているかたが多く間違えやすいのですが、サガリはホルモンの一種です。

【ハラミ(横隔膜)】
横隔膜の腹側で、柔らかくて適度に脂肪がある人気の部位です。
サガリ同様に赤身肉に見えますが、ホルモン(内臓)です。
ハラミ、サガリは 内臓肉のため、カロリーが低い部位になり、健康志向の人に人気です。

サガリ、ハラミは赤み肉に見えますが、横隔膜の部分でホルモンです。

腸の部分の部位

【ヒモ(小腸)コプチャン 、 マルチョウ 、 コテッチャン とも呼ばれる】
牛の小腸の部分。
ホルモンの代名詞的な部位です。
関西では裂かないものが「マルチョウ」、裂いたものは「コテッチャン」
と呼ばれています。
柔らかくとても脂が多い部分です。焼肉で焼くとき、脂が下に落ち火の勢いが強くなるので炭火などで焼く場合は注意が必要です。

【シマチョウ(大腸)】
牛の大腸部分。
ヒモよりも太くて厚く、食感もかためです。
良質な脂がついているので焼肉でも人気です。
よく焼いて食べるのがコツです。

【テッポウ(直腸)】
牛の直腸部分。
開くと鉄砲の形に似ています。
脂が少なくさっぱりした味わいが特徴です。

脂身がとても多いマルチョウ

牝だけの部位

【コブクロ(子宮)】
牛の子宮の部分。
クセがなくコリコリした歯切れのいい食感が特徴です。
焼くと少し柔らかくなります。

【チチカブ(乳房)】
牝牛の乳房にあたる部分。
一頭のメス牛から4つ取れます。
乳汁を搾り出し、洗浄したものを食べることができます。
歯ごたえがよく、非常に美味しい部位です。

その他の部位

【テール(しっぽ)】
牛の尻尾にあたる部位。
コラーゲンが豊富で、よく煮込んむと骨髄の部分がゼラチン状になるので、スープとして使われることが多いようです。

テール。コラーゲン豊富な牛のしっぽの部分。

【アキレス(アキレス 腱 )】
足の後ろ側にあるアキレス腱部分。
別名「スジ」とも呼ばれます。「牛スジ」と呼ばれています。
コラーゲンがたっぷり含まれています。

【ウルテ(喉)】
牛の喉の部分。
牛の喉の部分の軟骨です。
ホルモンの中でも最も硬く、切り込みを入れて焼肉にすることが多い部位で、コリコリとした食感が楽しめます。
味はなく食感を楽しむだけなので、ホルモンの中ではあまり有名ではありません。

【シビレ(腺と膵臓)】
牛の胸腺と膵臓にあたる部位です。
フォアグラや白子のようなふっくらとした味わいが特徴の部位です。
滅多にない希少部位です。

【ツラミ(ほほ肉)】
牛の頬肉にあたる部位。
牛がよく動かす部分のため、とても濃厚な味と歯ごたえが特徴です。
煮込み料理に向いています。
頭部の肉全体はカシラと呼ばれ、頬とコメカミが上物とされています。

【タン(舌)】
牛の舌にあたる部位。
スライスしたものは焼肉で、ブロックのものはシチューに最適です。
舌の根本まで含めると約1.2~1.5kg程のボリュームがあります。
根本の部分の方が非常に柔らかく、タンツラとも呼ばれています。

牛の舌の部分。タン。コリコリした食感が魅力。
和牛はホルモンも美味しい