壱岐牛の子牛が生まれました。

こやま牧場では、年間少しだけですが、子牛の繁殖もしています。

今週月曜日に子牛が生まれました。
今回生まれた子牛の出生時の体重は、45kg~50kgの、牝牛でした。
生まれたばかりの子牛の動画はコチラ↓↓

こやま牧場は基本的に子牛をセリで買ってきて肥育し、出荷する肥育農家ですが、18頭の母牛を飼っていて子牛の繁殖もしています。

子牛を繁殖して肥育するのは、セリで買ってくるより少しコストの削減にはなるので増やしていきたいという思いもあるのですが、繁殖は 、母の放牧もしなくてはいけないし、出産もとても手間がかかるしリスクもあるので、だんだん母牛の数も減ってきました。


子牛を育てて、セリに出荷するまでだいたい40万ぐらいのエサ代かかります。
子牛として繁殖農家から買う場合はだいたい75万から85万ぐらいです。


こやま牧場は、牝牛専門で出荷しているので、自分の牧場ですべての牛を繁殖することが出来ません。

どうしても、子牛を買ってくることは必要になるので、子牛の繁殖は繁殖農家に任せ、肥育農家の仕事がメインになってしまいました。

昔は50頭ぐらい子牛を出産させていましたが、
今では母牛の数も減り18頭になりました。

生まれたばかりの仔牛の様子

今回出産した母牛は、初めて子牛を生む初産の母牛。

初産の場合は出産に時間がかかることが多く、時間がかかると、それだけ母牛に負担がかかってしまうので気を使います。

子牛がどれぐらい大きく育っているのかも母牛の身体の負担になります。

今回の初産だった母牛も、子牛が大きく育ってしまったし、初産だったので大変でした。

1週間持ち越しのお産開始で、これ以上持ち越すと普通分娩は無理という状況。母牛も子牛も危ないところでした。

お産は、命の危険もあるものです。

仔牛が生まれた瞬間。

今回は妊娠期間が伸びましたが、牛は、基本的には種付き後 285日位で分娩します 。

人間の妊娠期間は『十月十日』で280日なのでほぼ同じぐらいの妊娠期間です。

なので、年間1頭しか出産できません。
母牛は、ストレスを溜めないように放牧し、妊娠期間中は出来るだけおおらかな気持ちになれる環境で育てます。

妊娠中の母牛の様子。お腹がポッコリしています。

出産が近くなると 母牛は、そわそわし始め、便がやわらかくなってきます。
それが、もうすぐ生まれそうだという母牛からのサインです。

産むタイミングは、いろいろ方法を研究してある程度調整できるようになりました。
エサのやり方でだいだい産むタイミングは調整できるようです。

産道が開いてから、実際に出産するのには少し時間がかかりますが、ずっと24時間体制で見守るのは無理なので、母牛の牛舎にはカメラを置いて、様子を観察します。

もうすぐ生まれそうだという時になったら、お産の介助に向かいます。

人間が介助して、出来るだけお産にかかる時間を少なくして、母牛にかかる負担を軽くします。

子牛の足が出てきたら、まず、手で引っ張り出します。

手を産道に突っ込んで、引っ張り出したり、それでも、出てこない場合は滑車ベルトという器具をつかって引っ張り出します。

初産の牛にとって出産は大変なものですが、何度か出産を経験した母牛の場合は一瞬で、介助もなしにツルッと生まれることもめずらしくありません。

今回の子牛は足が見えてきてからだいたい10分程度で生まれました。

産まれた子牛はだいたい15分ぐらいで自力で立てるようになります。

何度も転びながら、足をガクガクさせ、やがてしっかりと自分の力で立ち上がるようになります。

生まれたばかりの子牛。濡れた身体は母牛が舐めてきれいにします。

羊水だらけの子牛の身体は、母牛に舐められてだんだん綺麗に乾いてきます。
母牛は子牛を舐めながら、子牛が自分の力で立ち上がれるようになるのを見守ります。

立ち上がるとすぐにミルクを飲み始め、身体も乾いて可愛らしい子牛になってきます。

何度見ても感動する瞬間です。

何も教えられていないのに、立ち上がってすぐにミルクを飲みだす子牛を見ていると、動物の本能の不思議さを感じます。

母牛にぴったりと寄り添いながら、子牛は自分の力で生きていく方法を本能的に学んで、だいたい2か月ぐらいになると、牧草を食べるようになります。

足がガクガクしていますが、何とか立ち上がることが出来ました。
母牛のおっぱいの位置を探ります。

こやま牧場は18頭の母牛が居て、年間15頭~17頭ぐらい子牛が生まれます。

こやま牧場で生まれた子牛は、雄だった場合は、10か月程育ててから、市場にセリに出します。

牝牛だった場合は、そのまま肥育します。

10か月まで育てて、その時の成長ぐあいを見て、母牛として牧場で飼って子牛を産ませるか、26か月育てて出荷するか決めます。


こやま牧場で母牛にするのは、だいたい、自分のところで繁殖させた牛だけです。
子牛の頃から飼っていたら、その牛の性質もわかるし、病歴があるかどうかなども確実にわかるし、その牛の母牛がどんな牛だったかもわかるし、牧場になれた牛の方が安心して母牛として飼うことができるからです。

子牛の成長は早く、あっという間に身体が大きくなります。

今回、ブログを書き始めたばっかりの時に生まれたこの子牛の成長記録をブログに書いて、牛がどんな感じで成長していくのか、発信していきますので見てみてくださいね。

毎月、JAの職員の方が、牧場に来られます、その時に子牛の仔牛登記をします。個体識別番号を発行してもらい、耳にタグを付けます。

次回はその様子をお伝えします。