和牛の値段の決め方。お肉の格付けって何?

牛肉の格付けってどうやってしてるの?

よく、A5とかA4とかA3って言葉を聞きますが、牛肉の格付けってどうやってるかご存じですか?

格付けは、牛肉の『枝肉』と言うのを見て判断します。
枝肉と言うのは、牛をと畜して、 頭部、しっぽ、四肢端などを切取って、皮や内臓を取除いたあとのものです。

これが枝肉です。二つで一頭です。

↑↑これが枝肉です。

真ん中から左右に切断しますので、二つで一体です。よく見ると、二本のうち一本が肉の断面が見えるように切断されているのがわかります。

枝肉は、枝肉の第6~第7の肋骨の間を切断して断面が見えるようにしていて、
その断面を見て、お肉を格付けしているのです。

牛を育てていて、すごく大きくなって、きっと良い格付けがされるだろうと期待して出荷しても、この断面を見てみると霜降り具合が良くなかったり、しこりがあったりして格付けの評価が良くない場合もあります。

肉質の良し悪しは、枝肉になったときに断面を見てみないとわからないのです。

枝肉の断面の部分を見て格付けします。ロースの芯の部分で霜降り具合がわかります。

断面のロースの芯の部分がきれいに霜降りになっているのが、格付けの基準の一つです。

品質のいい枝肉の条件としては

① 肉の「キメ」が細かいもの
② 肉色がよく、光沢(つや)があるもの
③ 水分が少ないもの
④ 締まりがよいもの
⑤ 肉に弾力があるもの
⑥ 乾燥しすぎていないもの
⑦ 脂質が白く、融点が低いもの
⑧ 骨が細いもの
(畜産技術情報より引用)

などがあります。

歩留まりって何?

では、よく言われる『A5ランク』『A4ランク』についてですが、
この『A』の部分は歩留まりがどれくらいあるかという意味です。

歩留まりとは 、「原料の投入量に対して、実際に得られた製品生産量の比率のこと」です。
つまり、 いらない部分を取り除いた時にどれぐらい残るか、というのがこの歩留まりの意味です。

牛の生体から、と畜され、枝肉になる時の歩留まりを枝肉歩留りと言いますが、この比率はだいたい60%前後ぐらいです。

さらに枝肉になった状態からどれだけの肉が取れるかという歩留まりがあり、こちらが牛肉の格付けに利用されている歩留まりです。

枝肉から取れる肉の割合が
72%以上残る場合は『A』ランク
72~69%残る場合は『B』ランク
69%未満の場合は『C』ランクです。

つまり、『A5』『A4』ランクという言葉の『A』の部分は歩留まりで、肉質には関係なく、どれぐらい、いらない部分が少ない牛かという意味です。

牛肉の霜降り具合も基準があります。

歩留まりとは別に肉質等級という概念もあります。

肉質等級は『A5』『A4』の数字の部分5や4になります。
数字の意味は、お肉の肉質等級のランクです。

肉質等級を決定するのも、厳密な規定があります。

霜降り具合は脂肪交雑基準というのがあって細かく基準が決められています。
下記の↓↓日本格付協会の表に分かりやすくまとめてあります 。

脂肪交雑等級は、チャートで判定されます
(B.M.S.No.=Beef Marbling Standard)

上記の図に、
・牛脂肪交雑基準(霜降り具合を見る)
(B.M.S.No.=Beef Marbling Standard)
・ 肉の色沢等級
(B.C.S = Beef Color Standard)
・ 脂肪の色沢と質の等級
(B.F.S. = Beef Fat Standard)
がまとめてあります。
肉質等級はこれらの基準を見て、格付けしていきます。

A5ランク、A4ランクの意味

A.B.Cの部分は歩留まり、数字が肉質等級です。
肉質等級は5~1まで、4項目で基準があります。

肉質等級は、
●脂肪交雑(どれぐらい霜降りが入っているか)
● 肉の色沢
● 肉の締まり、きめ
● 脂肪の色沢、質
と厳密に五段階の基準があります。

このような厳密な基準があって、お肉の格付けはなされています。

肉質等級や歩留まりを基準以上にするのは、長年のカンと経験、そして愛情を持って牛に接することが不可欠です。

壱岐牛の基準には肉質等級がA5、A4、A3以上のものというもあるので、出荷する時に最低でもA3以上にはなるように心がけています。

肉の格付けはどうやって決められているのか