壱岐牛の肥育日記~毎週月曜日に市場に出荷。

毎週セリ市で枝肉を出荷しています

こやま牧場では、毎週月曜日に 福岡市中央卸売市場食肉市場で行われるセリにに枝肉を出しています。
子牛を買うときは落札する側としてセリに参加して、
出荷する時はこちらがセリの出品者側になります。

壱岐からはだいたい毎週水曜日にトラックに乗せ、更に船に乗せて壱岐から福岡に運びます。

トラックに載せて牛を運び出します。

出荷時の牛の月例は26か月。こやま牧場で出荷する牛はすべて牝牛なので、だいたい700キロ前後ぐらいの体重です。雄牛だと900とか時には1トン越えすることもあるらしいですが、こやま牧場は牝牛にこだわって肥育しているので、だいたい700キロ前後、せいぜい大きく育っても750キロぐらいです。

今回のセリに出した牛のの平均体重は700キロ前後でした。

水曜日に出荷した牛は、福岡のと畜場でと畜され枝肉になります。
その枝肉を毎週月曜日に行われるセリ市でセリに出します。

こちらがセリが行われる福岡市中央卸売市場食肉市場

牛は出荷した時は700キロ前後ですが、そこから、骨や内臓などを取り除き、
枝肉の状態になります。

枝肉とは一頭の牛から皮や骨、内臓などを取り除いた状態のもののことで、その形が木の枝に似ていることからそのように呼ばれています。

枝肉になると、700キロあった牛肉も450キロ前後になります。
枝肉の状態では、まだあばらなどの骨がついているので、 そこから骨などを抜いて肉は350キロ前後、更に脂などを整形して残った270キロ前後が肉として食べられる部分です。

これが枝肉になった状態。この枝肉の断面のサシの入り具合が価格を決める要素の一つです。

セリ市の様子

今回出荷した牛肉は、すごくきれいにサシが入っていたので高値が付きました。
キロ当たり2782円の値が付いたものもありました。
最近はキロ当たり2600円以上にはなかなかならないので、買い手から評価される質がいいお肉を出品できたということです。

買い手は長年のカンと熟練によって肉を査定しているので、高値で評価されることは、とても栄誉ある事です。

子牛の時はをセリ落とす側にもなるのでよくわかるのですが、牧場の評判と今までの信用というのも価格の決定に大きく影響します。

高値を付けて頂けるのは信用の証でもあるので、とても嬉しいことです。

その信用を失わないためにも、誠意をもって牛を育てていって、信用できる牧場という評価を維持していきたいです。

これがセリ市の会場の様子。枝肉がつるされて回ってきます。
こやま牧場の出した壱岐牛が落札された画面。

切ってみないとわからない

牛は、育てている段階ではその牛がどれくらいの値が付くかはわかりません。
肉の断面を見てみないとサシの入りかたがわからないからです。

どんなに大きく育っても、サシの入りがあまりよくない場合もあります。とにかく丁寧に、エサに気を付け育てていくことでしか肉質を上げていくことがが出来ないのでとても難しいです。

せっかく牛を育てているのだから「美味しかった」と思われる肉にしたい。
それが、肥育農家として第一に考えるべきことだと思うのです。
牛を出荷して、生きていた牛が枝肉になるのを毎回見ていますが、肥育農家がしていることを残酷だとかかわいそうとか思われる方もいるかもしれません。でも、そんなこと言っていたら人間は牛を食べることが出来ないので、誰かが育てなくてはいけません。

だったら、牛の本来持つ『美味しさ』を最大限に引き出して、誰も皿に残したくなくなるような美味しいお肉にすること。美味しいお肉を食べてもらう人に提供できる肥育農家に徹することが、肥育農家としての役割だと思っています。